獏之浪語(5) 「人生のprotagonist」

今日の英語はめっちゃむずかしいですよ。プロタゴニスト。知っている人います?(みんなう~んって考え込む顔) あ~ そうですよね。誰もいないですよね。じゃあ、反対語のアンタゴニストantagonistはどうですか? 薬剤部の小木さん、知っていますか?
「はい、拮抗薬のことです。」
ご名答。さすが小木さん。ある薬の作用を打ち消す薬のことですね。ある作用の反対のことをするものです。頭にあるantというのは、反対のという意味です。Agoというのは作用するという意味、agonistは作用するもの。このagoというギリシャ語からactアクトっていう英語が生まれたんですよ。そうすると、今日の英語、protagonistは「pro」にactがくっついていますね。Proは「前に」。前に出て、アクトするもの。演劇だったら主役って感じですね。つまり主人公のことです。長くなりましたが、今日のテーマは主人公です。

話は変わります。ぼくの人生の中で、高校一年の時は最悪でした。理由はいまいちわからないんですが、なぜか毎日ふさぎ込んでしまって、ひとと話もしたくなくなって、引きこもりっていうか、、、中学からやっていた陸上部の部活もやめてしまいました。学校終わるとすぐ帰宅して家族とも話もせず。。。成績もみるみる学年最下位付近まで落ちました。食欲もなくなってげっそり痩せました。あのころ何があったのか自分でもわからないのです。もう人生が終わるみたいな感じだったような気がします。なんか頭の中がぼんやりした感じでした。そんな中で、ひとりの同級生がある日ぼくを遊びに誘ってくれました。林っていうやつで、37年たった今でも付き合いがあります。いつもは友達の誘いなんか全部断っていたのに、なぜかこの時だけは彼について行きました。そしたら何と福井市文化会館に連れて行かれたのです。そしてそこではさだまさしさんのコンサートが行われていました。コンサートの中ほどで「主人公」ていう曲を彼が歌ったとき、ぼくは泣いてしまいました。自分の人生の中での主人公は自分しかいないんだという歌でした。いろんな人生。小さな物語みたいな人生、複雑な人生、暗く見える人生。。。。どんな人生であっても最後まで中心人物として生きていかなければいけない。自分の人生を主役として抱きしめられるのは自分しかいないんだ。
そのコンサート以来、ぼくは少しずつ変わっていきました。自分らしさを取り戻し始めたのです。自分の人生がどんなものであっても、きちんと向き合って、ポジティブに理解しながら人生そのものを愛していこうという気持ちになったのです。
みなさんの中に、もし何らかの原因で落ち込んだり、ふさぎ込んでしまうようなことがあったときに、いろいろな方法で立ち直るきっかけを探されると思いますが、是非今日の「主人公、protagonist」のことも覚えていてください。

あなたは教えてくれた 小さな物語でも
自分の人生の中では だれもがみな主人公
時折、思い出の中で あなたは支えてください 
私の人生の中では 私が主人公だと 
               (さだまさしさん作詞)

院長 金平永二 記

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