時計を見て、静かに言った。
「ありがとう、みんな。」
全員とハイタッチをした。
だれひとり欠けてもここまで来られなかった。
みんなとびきりの笑顔になった。
2012年2月2日
メディカルトピアで1例目の内視鏡外科手術が行われた。
単孔式だ。
スタッフは皆、緊張を隠せなかったが、確固たる自信に満ちていた。
やるべきことはすべてやった。
ベストを尽くして準備をした。
その自信が、緊張を掻き消して、身体は自然に動いた。
10年前からこの部屋で、このスタッフとともにずっと手術を行ってきたかのようだった。
心地よい宇宙。
何も語らなくてもすべての意思が疎通する時間。
精神が研ぎ澄まされる空間。
37分05秒は、山岳の清流のように過ぎた。
これからこのtheatreで、いったいどれだけの人々が手術を受けるのだろう。
メディカルトピアで行われる数えきれない手術の歴史がいま始まったのだ。
この37分05秒をともに過ごしたすべてのスタッフは、いつかこの時を振り返り、
この足跡の意味をかみしめるだろう
そして自分がこの歴史を作り上げたひとりであることに、心を熱くしてくれると思う。
金平・記

