月別アーカイブ: 5月 2015

獏之浪語(2) 「feeling とemotion」 

どっちとも感情っていう日本語の英語訳です。でも少し違う意味かもしれないと私は思っています。feeling とemotion。  Feelingは、自分で感じ取っている感情。emotionは、表現されている感情。ちなみにイタリア語では前者はsentimento 後者はemozione。 ドラマの1シーンがありました。彼氏がバイクで事故って重傷を負い、入院した病室でのシーン。彼女が着のみ着のままで駆けつけます。包帯ぐるぐるの彼氏は、彼女が入ってきた瞬間元気な方の手でピースサイン。それを見たとたん、彼女は泣き崩れながら、彼氏を叩きます。「バカ、バカ、何でこんな怪我なんかするのよ! あれほどバイクの運転気を付けてって言ったじゃない!」 怒りがさく裂します。 彼女の感情は、feelingとemotionの二つが混在しているように思いませんか?ホントは不安で不安で大急ぎで病院に駆けつけ、彼氏を見た瞬間、生きていてよかったという安堵が支配します。これらはfeelingです。そして次の瞬間なんでこんなに心配かけたのよという怒りに激変します。そこで表現されるのがemotion。  このシーンを見て、私はこれまで自分のfeelingをひとにわかってもらえなくて、その後に来るemotionだけ表現して失敗したことが多くあるなと思いました。本当はさみしい感じとか、がっかりした感じだったのに、怒りだけ表現したり。。。。本当は悲しい気持ちだったのに、相手にいらいらをぶつけてしまったり。。。。は~~~(ため息) 患者さんからの表現で、emotionの部分だけに反応して失敗したことも多々あるなと反省しています。患者さんの多くはemotionの前にfeelingを抱えているような気がします。病気に対する不安がそれだと思います。それがさまざまに形を変えてemotionとなって私に投げかけられてきます。たまには怒りになって私にぶつかってきます。その怒りに対してだけ反応したら、ますます悪循環になってしまうのです。 まずは、feelingがどんなものだろうと気遣って、それに寄り添う言葉をかけるだけで、患者さんのemotionが必要以上に走り出すことを軽減できそうな気がしています。ちょっとしたことでも不安なのが患者さんの心理。そんなの全然平気ですよと言う前に、「ああ、それは心配になりますよね。わかります。」とfeelingに対して一声かけるだけで、どれだけemotionが和らぐことか。 同じようなことが私たち仲間の間でも通用するんじゃないかなと思います。自分のemotionを表す前に、いったいそれの原因となったfeelingてなんだろうと自分を見つめ、それを表したほうがうまくいくこと、あるんじゃないかなと思います。あるいはほかのひとのemotionをemotionとして受け止めてあげて、それの原因となったfeelingは何だろうと思ってあげること。これで雰囲気が良くなることが、あるんじゃないかなーと思っています。 院長 金平永二 記

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獏之浪語(1)「ものろごのはじまり」

面白い話だから是非書いてくれよっていうんですよ。藤岡副院長が。今朝も。 でもホントはあんまり乗り気じゃないんです。ブログにこれを書くのが。 世間に出せるほどの信憑性や正当性もなさそうな、勝手なつぶやきばかりなので。 これって何かというと、毎週月曜日の朝礼での私のトーク。 正直言って若い時、あんまり好きじゃなかった。朝礼で院長先生や偉い人の話を聞くのが。でも自分がそういう立場になって、ああ、毎週仲間の前で何らかの話をするのって、大変なんだなーとつくづく実感しています。(仲間っていうのはうちでは、職員のことです) 院長の私が朝礼で話をする目的ってなんだろなーって思います。 しなくてもいいんじゃないかなって、ずーっと思ってきました。さっさと朝礼終わってみんな持ち場に帰って、仕事を始めた方がいいんじゃないかなって。 でも、メディカルトピアのリーダーとして、哲学や人生観を仲間にさらけだすことは、必要なことでもあるのかなと思います。そんな大げさなことじゃなくても、私がハッと気づいたことや、55年生きてきて経験した苦い思い、失敗談、成功話、何でもいいので仲間に伝え、同じ失敗をしないでほしい、私よりもっとうまく難関を切り抜けてほしいという思いを伝えるのも、悪くないのかなと思います。 そんなわけで、これから気が向いたら書いて行こうと思います。朝礼で仲間にした話を。 私の話にはちょっとした癖があります。仲間はもうみんな知っていますが。 それは英語やイタリア語、ドイツ語といった外国語を織り交ぜていくということです。そして、内容としては、「幸せに生きるためのヒントになるかもしれないこと」がほとんどです。自分自身に言い聞かせる内容がほとんどで、独り言のようにも聞こえるので、モノロゴという連載タイトルをつけました。monologoっていうのはイタリア語で独り言のことです。漢字で書いてみました。「夢を見る動物、バク(獏)がさすらいながらしゃべる」というようなニュアンスで獏之浪語と書いてみました。 間違ったことを言っていることもあるかと思います。あるいは反論もあるかと思います。ひょっとしたら、ぐさっときて気を悪くするひともいるかもしれません。でも悪気は一切ないので、許してください。そして間違いの指摘や反論、苦情などは真摯に受けとめ、今後の糧としたいと思います。 長くなったので今日はここまでです。今朝2015年5月18日のトーク「feelingとemotion」は、気が向いたら近いうちに書きますね。では。Ciao! 院長 金平永二 記

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