ポリープとは「蛸(たこ)」や「ハナタケ」を意味します。大腸粘膜からキノコのように飛び出したものをイメージしてください。ポリープという名は、そんな形についた名前で、その中身が、がんか良性の腫瘍かは別問題です。
大腸ポリープの約1割はすでにがん化しており、また、がんでなくても将来がん化する危険性が高いものも約1~2割あることがわかっています。「がんらしい」あるいは「近い将来がんになる危険性が高い」ということは、外観(大きさ、形、色調、個数など)から判断できます。そんなポリープは小さなうちに内視鏡で、がんの芽を摘んでしまおうという考え方です。切り取ったポリープを顕微鏡で検査して良性か悪性かを最終的に診断することになります。
内視鏡的切除術とは、スネア(図1)といわれる輪になった針金などでポリープを通電して切除を行う処置で、ポリペクトミー(図2)と内視鏡粘膜切除術(図3)の2通りの方法があります。治療後の潰瘍からの出血を予防するため、病変に応じてクリップを使用し縫縮したりします。
スネアの大きさは2㎝ほどなのでこの手技は、大腸における比較的小さなポリープに対して行います。


顕微鏡検査で腫瘍性のポリープだった場合には、そのポリープとは別の場所にあらたにポリープやがんができる危険性が多少ありますので、定期的に内視鏡検査を受けるようにしてください。検査の間隔は症例によって異なりますので、主治医の先生の指示に従ってください。
便秘や血便の人は早めに大腸の検査を受けてください。症状のない人も、定期的に便潜血検査を受けるようにしましょう。予防は、食事の脂肪分を控えること、繊維分をよくとり便通を整えることです。